法服の王国/黒木亮

裁判官に焦点を当てた小説。
三権分立を学校で教わった気がするが、あくまでも社会科のための用語。現実は、裁判官といえども公務員であり、完了と同様に頂点を目指した出世競争に参画する裁判官(司法官僚)と、憲法を尊重しつつ現場の紛争を解決する裁判官とに分かれるというお話。
後半は、原発訴訟から東日本大震災の発生で終了。
最高裁判所の長官が、日本の権力者の一人であることが分かりました。
裁判官は年間200件程度の事件を抱えており、朝9時に出勤して夕方5時に帰宅した後、自宅で、書類を読んで12時ぐらいまで仕事する人がいる一方、判決もまともに書けない裁判官もいるとのこと。
少しだけ法曹の世界に足を突っ込んでいる側としても参考になります。 法曹の世界を考えている人は、一読する価値があるかも。