「仕事のアマ 仕事のプロ──頭ひとつ抜け出す人の思考法」(長谷川和廣)


こういう見方もある、という点で参考になる。(カッコ内は、アマ)


<1. 勝ち抜く人から法則を学ぶ>

(1)返答はいち早くする(×返答は正確にする)

(2)イベントが顧客獲得に結び付いてよかった(×イベントが盛り上がってよかった)

(3)仕事ができる人は、女性にもモテる(×女性にモテる人は、仕事もできる)

(4)少人数でやるから、精鋭化する(×精鋭を少人数集めて勝負する)

(5)プレゼン力とは、メリットを伝える力(×プレゼン力とは、分かりやすく伝える力)

(6)視点が高く、視野が広い(×専門分野の知識・見方にこだわる)

(7)本物から学び、より優れた本物を作りだす(×本物を真似たら、それはニセモノ)

(8)強い思い、高い志をもって努力(×現実を見て努力)

(9)本物に触れて人間力をつける(×多くの知識を得る)

(10)一部の人がやる気になれば、それでいい(×全員のモチベーションを上げる)

(11)仕事の現場で「体験」から多くを学ぶ(×学べる知識は早いうちに学んでおく)

(12)全てをやりつくせば、リスクを冒すことは怖くない(×時には、リスクを冒す勇気も必要だ)



<2. 仕事の方法論をがらりと変える>

「何のために、その仕事をしているのか」あと一歩が足りない人は、何も考えずに、ただ日々の仕事に追われているだけ

(1)やるか、やらないかで働く(×できるか、できないかで働く)

(2)感謝される仕事をする(×給料や役職に見合う仕事をする)

(3)ホットな言葉で心に火をつける(×クールに冷静な態度で対応する)

(4)仕事に対する熱意は、準備の周到さに表れる(×仕事に対する熱意は、熱意ある言葉に表される)

(5)謙虚さが人間を成長させる(×欲が人間を成長させる)

(6)できないのは、まだまだ未熟だから(×できないのは、能力の限界があるから)

まだ未熟であることに誇りを持つ

(7)簡単にできないことだから挑戦する(×自信の持てない仕事は断る)

(8)好かれなくてもいいから、信頼されたい(×仕事の仲間には嫌われたくない)

(9)いまやっている仕事の面白いところを見つけ出す(×面白い仕事と出会いたい)

(10)成功した理由を分析し、理解している(×優れた成功体験を持っている)

(11)準備をしていれば、いつか運はめぐってくる(×運ばかりはどうにもならない)

運は努力した人間にしか来ない

(12)嫉妬しているうちは本物にはなれない(×人に負けたという悔しさをバネに頑張る)

人間、嫉妬しているうちは、本当の福は回って来ない(p62、小出義雄

(13)給料が一円でも下がる転職はしない(×やりがいや職場環境は給料より大切)

(14)出し惜しみしないで、常に全力投球(×ここぞという時のために、力はためておく)



<3. 人を動かす人になる>

(1)人を動かすには「知的腕力」が必要(×人を動かすには、情に訴えかける)

(2)役職や立場にかかわらず、一人の人としてつきあえる(×相手も、自分も組織のコマである)

相手を名前で呼ぶ

(3)上司は部下の三倍働く(×上司はあまり動かず、部下にどんどん仕事を任せる)

タフな仕事ぶりを見せる。行動は、言葉よりもストレートに相手の心に響く。

(4)常日頃から、褒めることを厭わない(×歯が浮くようなお世辞は言わない)

>>>褒めて褒めて褒めまくる???

(5)具体的に何が良かったのかを伝えている(×頑張っているねと、いつも声をかけている)

(6)褒めどころのある人を叱る(×どうしようもない人を叱って立ち直らせる)

川上哲治氏は、長嶋茂雄を「叱られ役」にしていたらしい

(7)感情的になって相手の本音を聞き出す(×あくまでも穏便に議論する)

(8)問題がどこにあるかを聞きとる(×正論をぶつけて、納得させる)

(9)聞き上手(×説明上手)

(10)すでに、相手のことは調べている(×まず、相手のことを知ろうとする)

(11)部下の誇りを復活させる(×部下に厳しい現実を見せる)

(12)何について謝罪すべきかを理解している(×とにかく低姿勢でひたすら謝罪する)



<4. 組織の力を信じて利用する>

(1)部下に自分で考えさせる(×部下に手取り足とり教える)

(2)自分の分身を作って、どんどん任せる(×大切な仕事を人任せにできない)

(3)数字に表れない力を向上させていく(×数字を向上させていく)

(4)組織には、色々なタイプの人材が必要(×一流の人を集めれば、一流の組織に)

チームは、引っ張るリーダーが一流であれば、それで十分。全体の組織力を高めていくこと

(5)はっきりとした経営の目標が必要(×優れた経営の理念が必要)

(6)意思統一された組織(×個人の自由や多様性を重んじる組織)

(7)人を管理することがマネージメント(×数字を管理することがマネージメント)

(8)公正にどれが正しいか白黒をつける(×中立を保ち、よき調整役に徹する)

リーダーが責任を持って最終決断していくやり方に変えること

会議とは、誰が、いつまでに、何をすべきか、を決めること

(9)そつなくやる人を上手く使う(×そつなくやる人を嫌う)

(10)ついて来られない人は、長い目で見る(×ついて来られない人は、切り捨てる)



<5. 商売の基本を頭に入れておく>

全ての仕事には、お客様がいる。だから、全ての仕事は営業で成り立つ。商売に携わっている以上は商人である。商人には、守るべき商人の道理」がある。これを守れない人は仕事を失い、これを守れない組織は滅びる。

(1)行き詰まったら、原理原則に立ち返る(×行き詰まったら、奇策・妙手を探る)

(2)成功事例から学ぶ(×失敗事例から学ぶ)

(3)絶対に諦めない心を持つ(×頑張ってもダメなときは、すっぱりと身を引く)

(4)顧客の立場に立てばニーズは見えてくる(×顧客のニーズがないから売れない)

(5)利益は一朝一夕には上がらない(×効率よく利益を上げる方法があるはずだ)

(6)同じものなら一円でも安く買うべき(×一円や二円の差は大したことはない)

(7)どんな赤字も悪(×小額の赤字なら問題なし)

(8)できることと、できないことをはっきり伝える(×それはできません、とは決して言わない)

(9)利益を残すこと(×売り上げを作ること)

(10)売れ行きを測る尺度は返品率である(×売れ行きを測る尺度は、売上額である)

(11)利益を増やすには、新商品を成功させるしかない(×利益を増やすために、コストカットは仕方がない)

(12)どんなときでも品性を失わない(×時には、手段を選ばない)

商売には、超えてはいけない一線がある



<6.半歩でいいから工夫を加える>

もっとよい他のやり方はないだろうか?毎日、そのように考え、一歩一歩進んでいける人が、どんな不況にも打ち勝ち、ずっと生き残っていける。

(1)手が届きそうで、なかなか届かない目標を設定する(×目標はできるだけ高く設定する)

(2)100のアイデアから、1つを選ぶ(×2,3のアイデアを検討)

徹底的に体と頭を使わないと、100のアイデアは出てこない。

(3)売れ残る商品はどれか?(×売れる商品はどれか?)

(4)まずは、最重要課題から解決する(×全ての問題を解決するには、時間が足りない)

(5)一つのメリットを何度も繰り返す(×商品の様々なメリットを伝える)

(6)大切なことはすぐにノートに書き留める(×大切なことは忘れるはずがない)

(7)仕事をやる前に、何のためにやるのかを考える(×毎朝、その日の会議やアポイントの確認をする)

(8)一時間早く出社する(×4時間残業する)

(9)満足感を売る(×商品を売る)

(10)会話の第一歩はこちらから(×こちらからは声をかけない)

(11)商品を売ってからが勝負(×商品を売るまでが勝負)

(12)オフィスを狭くすれば、仕事の効率は上がる(×オフィスを広くすれば、仕事の効率が上がる)



<7. とことん人を見極める眼を養う>

(1)人を見極めるポイントは素直さ(×人を見極めるポイントは感性)

(2)うるさい、細かい、しつこい上司(×物分かりの良い上司)

(3)自分が尊敬できる人と付き合う(×自分より地位の高い人と付き合う)

(4)実際の決定をするのが誰かをしっかりと見極める(×いちばん役職の高い人と交渉する)

(5)人脈は自然にできるもの(×いち早く多くの人脈を築きたい)

(6)社員の性格やプライベートを知っている(×仕事上の関係として割り切る)

(7)絶対に人の悪口に同調してはならない(×みんなが嫌っている人なら、陰口に同調するぐらいはいいだろう)

もし、悪意で利用されることが想定される質問が来たら「自分の意見は、自分の中にとどめておきたいんだ。僕は○○だから」とかわす(エルビスプレスリーの場合、○○はエンターテイナー)



<8. 世の中の仕組みに目を配る>

あなたが働く業界は日々縮小している。古いものは廃れ、新しいものがどんどん生まれている。社会は日々変化している。今日の安定がこのまま続くと思ってのんびりしている人は、近い将来、足元をすくわれる。

(1)マイナス思考は善(×マイナス思考は悪)

注意:マイナス思考とは、物事を否定してつぶすことを目的とした後ろ向きの考えではない。リスクのようなもの。例、ベンチャー企業を立ち上げて成功した企業家は、成功の前には相当数の失敗をしているが、相応のリスクを検討しているはず。

成功させようとするプラス思考と、そのリスクはなんだろうかというマイナス思考を同時に働かせる。

(2)条件が悪くなった時こそ、工夫のしどころ(×条件が悪くなれば、結果も悪くなって仕方がない)

(3)軸となるビジネスモデルは日々陳腐化する(×軸となるビジネスモデルは変えない)

(4)上手くいっている時ほど不安(×上手くいっていれば問題ない)

(5)撤退したほうがよいとなったら、さっさと身を引く(×撤退をしないですむ方法を考える)

(6)はじめから最悪の事態を想定しておく(×問題が起きたら、誠意をもって対処する)

上に立つ人は、万が一のことを考えて、無駄になるかもしれないことでも準備しておくべき。それぐらいのことを考えられない人は、会社でも出世できない(p196、小出義雄氏)。

(7)市場を広げる努力(×シェアを奪う努力)

(8)そこで活躍できるように頑張る(×前の部署に戻れるように頑張る)

(9)「濁」を知った上で「清」を貫く(×清濁を併せのむ)

会社の利益になることでも、反倫理的なこと、不正なことは絶対にNG。

「濁」に精通しつつ、決してそれに染まらず「清」を貫く。

(10)難題を自分で見つけ出し、解決する(×難題を任されても、解決する自信がある)

指示待ち人間にならないこと。

仕事をこなせる人の上には、将来起こり得る課題を見つけ出して解決できる人がいる。